映画「バス174」のあらすじ!実話のブラジル・バスジャック事件を描いたドキュメンタリー

2000年6月12日、ブラジル・リオデジャネイロで174路線バスがジャックされる事件が起きました。

犯人は、サンドロ・ド・ナシメント(Sandro do Nascimento)。

当時、21歳のブラジル人男性。

このバスジャック事件は、テレビで生中継されていました。

人質1名が、死亡。

犯人の青年・サンドロは警察に拘束されるも、連行中のパトカー内で警察に首を絞められ窒息死してしまいました。

『バス174』は、サンドロのバスジャック事件を描いたドキュメンタリー映画です。

サンドロがバスジャックをした理由、真相がとても悲劇的で衝撃的な内容でした。

『バス174』の概要

ジャンル:社会派ドキュメンタリー

監督:ジョゼ・パジーリャ

脚本:ジョゼ・パジーリャ

製作国:ブラジル

言語:ブラジルポルトガル語

上映時間:111分

公開:2002年12月

日本公開:2005年6月

2000年6月12日、リオデジャネイロで実際に起きたバスジャック事件について描いたドキュメンタリー。

ストリートチルドレンを主に、ブラジルの抱える貧困・社会問題が事件の背景にあることを伝えています。

当時、実際にテレビで生中継された映像が使われており、リアリティある衝撃的な作品です。

 

『バス174』のあらすじ

2000年のブラジル・リオデジャネイロ。

174路線バスを、銃を所持した男性、サンドロ・ド・ナシメント(21歳)が襲います。

サンドロは11人の乗客を人質にとり、バスの中に立てこもりました。

バスは警察の他、メディアや野次馬など大勢に囲まれている状態です。

群衆に囲まれたサンドロは、人々に向かって叫びますした。

 

「自分はカンデラリア教会虐殺事件の生き残りだ!」

 

この言葉によって、メディアは騒ぎました。

 

カンデラリア教会虐殺事件とは、かつて8人のストリートチルドレンが、射殺された事件です。

カンデラリア教会虐殺事件とは?場所、事件の起きた背景とイボーネさんについて

教会はストリートチルドレンの簡易宿泊所となっており、事件当時も70名のストリートチルドレンがいたとされています。

そこへ、ストリートチルドレンをよく思わないグループが乗り込み、8名の子供を射殺。

グループの中には、警察官もいたということでした。

 

サンドロは、貧困層で生まれたストリートチルドレンで、カンデラリア教会虐殺事件の生き残りだったのです。

そのため、警察に対して強い恐怖心があり、信用できなかったのです。

 

サンドロの要求は警察から逃亡するためのもので、

1000リラ(約200円)とマシンガン、手榴弾。

警察の交渉人と交渉する気はなく、こう着状態が続きました。

 

しびれを切らしたサンドロが、

「手榴弾を持ってこなければ、午後6時に人質の一人を殺す。」

と通告します。

警察は応じず、午後6時にサンドロは発砲しました。

実は、この時サンドロは何もない所に発砲しただけで、人質を撃つことはしませんでした。

サンドロは貧困層で盗みなどを犯してはいましたが、殺人の経歴はなし。

警察もサンドロはただの不良やチンピラみたいなもの。

人を殺すというのは、脅しだと見抜いていました。

発砲しても、警察は要求に応じず、こう着状態は続きます。

サンドロはついに、大きく行動を起こしました。

銃を突きつけた人質の女性一人を盾にして、バスから出て逃走経路確保を要求したのです。

しかし、バスの陰に隠れていた特殊部隊がサンドロに近づきます。

接触直前でサンドロが気づき、特殊部隊は発砲。

1発は外れ、2発目がサンドロではなく人質の女性の顔面に当たってしまいました。

驚いたサンドロは倒れつつ、発砲。

これも人質の女性に当たり、女性は死亡。

サンドロは2〜3名の警察に取り抑えられ、パトカーで搬送されます。

 

事件はここで終わらず、パトカー内で暴れたサンドロを警察は絞め殺してしまいます。

 

サンドロの生い立ち

「バス174」事件の犯人、サンドロ・ド・ナシメント。

彼は、1978年7月7日にスラム街で生まれました。

父親は、彼が生まれる前に亡くなっています。

母親はサンドロ10歳の時に、目の前で殺害されています。

以後、親戚に引き取られるも、逃亡。

路上生活する、ストリートチルドレンになります。

 

1993年7月23日、カンデラリア教会虐殺事件が起き、サンドロもその場にいました。

 

その後、サンドロは窃盗、強盗、薬物売買などの犯罪に手を染めます。

学歴も親もない彼にとっては、生きる手段だったのでしょう。

刑務所にも2度、収監されたことがあるそうです。

 

さいごに

バスジャック事件を起こした日、サンドロは銃で乗客を脅して金品を取ろうとしていました。

誰も殺すつもりはなく、人質たちにもそう告げていました。

彼は、ただ警察から逃走するために、武器と運転手を要求し、4時間バスジャックをしたのち、拘束されました。

 

ストリートチルドレンだったサンドロは、警察に対し強い恐怖心を持っていたことでしょう。

かつて教会で、殺されかけていましたし。

ちょっとした罪でも、殺されかねない。そう思っていたのではないでしょうか?

なお、サンドロを窒息死させた警察官は、その後無罪になったそうです。

 

『バス174』と同じく、この事件を扱った映画『シティ・オブ・マッド』があります。

こちらは、実話を元にしたフィクション作品となっています。

U-NEXTで配信されていました。(2018年11月2日時点の情報です。)

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