カンデラリア教会虐殺事件とは?場所、事件の起きた背景とイボーネさんについて

1993年7月23日、ブラジル・リオデジャネイロのカンデラリア教会で、8人のストリートチルドレンが警官を含むグループに射殺された事件が起きました。

その事件の生き残りの1人だった青年が、2000年にバスジャック事件を起こし死亡しています。

この事件は「バス174」「シティ・オブ・マッド」という映画になりました。

カンデラリア教会の場所

カンデラリア教会は、リオデジャネイロのセントロ歴史地区にあります。

ローマ・カトリック系の教会です。

リオデジャネイロ最古の教会と言われており、17世紀に建てたれたとされていますが、詳しい起源はわかっておりません。

スペインのカンデラリア号という船が難破し、リオデジャネイロにたどり着き、そこに小さな教会を建てたことされています。

カンデラリアという名は、カナリア諸島の守護聖人の名で

教会には、聖母カンデラリアが祀られています。

 

何度か改築をしており、現在は19世紀に後半に改築された姿。

バロック様式のファサード、内装はネオ・ルネッサンス様式に変わっています。

中は、天井に聖母マリアと美徳(「慎重さ」、「慈愛」、「信仰」、「希望」、「正義」、「節制」のフレスコ画が描かれてており、人気の観光スポットとなっています。

 

1993年に起きた、「カンデラリア虐殺事件」。

教会前には子供たちが息を引き取った場所が、

教会裏には、慰霊のモニュメントが残されています。

カンデラリア教会虐殺事件とは

事件が起きたのは、1993年7月23日の夜。

カンデラリア教会は、ストリートチルドレンの仮宿のような存在で、食事や教育の援助を行っていました。

事件前日の朝、ストリートチルドレン数人がパトカーに石を投げつけました。

翌日の夜、教会前に車数台が停車。

その場には70名ほどの子供たちがいましたが、彼らに発砲。

死者8名、負傷者数名。

 

国際社会はこの事件を非難し、子どもたちに発砲したグループは起訴されました。

犯人グループの中には警察官もおり、2名が有罪判決を受けています。

 

カンデラリア教会虐殺事件の起きた背景

ブラジル、リオデジャネイロは国際都市となったものの、貧富の差が激しく、治安はお世辞にもいいとは言えません。

路上生活するストリートチルドレンたちも、犯罪行為に走りやすく問題視されていました。

また、地域や社会からは不満の声が根強く、彼らを厄介者として忌み嫌う人々も多数いました。

 

一方、警察および関係者は、ストリートチルドレンなどに対し取り締まりや補導の名目で、暴力行為が行われていました。

しかし、治安悪化で観光客が遠のくのを懸念した商店主や、地主などの目もあり、警官らの過剰な暴力は見逃されてきました。

 

また、「死の部隊」と呼ばれる暴行や殺人を行うグループもありました。

彼らは給料の安い警官や元警官などで構成されており、店を経営している商店主や地主の依頼で、路上生活者などを排除していました。

その現場を見てしまった一般人も、語ることはなく、彼らへの暴力行為は見逃され続けていました。

 

ブラジルでは、満足な教育を受けられなかった貧困層は、まともな就職が難しいため警官になる者も多いそうです。

こういう警官は警官といっても薄給で、「死の部隊」のような金をもらって暴力行為を行うようになってしまう悪循環が生まれてしまいます。

 

カンデラリア虐殺事件をきっかけに、国際社会の目もブラジルの貧困層や治安の問題に注目しました。

 

カンデラリア教会で支援活動していたイボーネさん

カンデラリア虐殺事件で殺された子供達を支援していた女性が、イボーネ・ベゼラ・デ・メ-ロさんです。

彼女は、彼らの母親的な存在でした。

事件当時、現場に真っ先に駆けつけた人物でもあり、ブラジルのストリートチルドレン問題について著書も出しています。

 

イボーネさんは1947年生まれ、リオデジャネイロ出身です。

父親は造船会社の社長。

母親は政府の役人秘書。

裕福な家庭で生まれ育っており、彫刻家として活動しています。

結婚し、子供もいるそうです。

自分の家庭の他に、ストリートチルドレンたちの支援も行っているのはすごいですね。

彼女の支援活動の始まりは、18歳でNGOのボランティアとして活動していました。

以来、数十年に渡りストリートチルドレンの支援活動をし続けています。

 

カンデラリア教会虐殺事件のその後

イボーネさんによると、カンデラリア教会には事件当時、子供達が70名ほどいたそうです。

子供達の中でリーダーだったのが、マルコ・アントニオ(当時20歳)。

貧しい家庭で生まれ、ゲイであった為に親から虐待され、8歳で家を出てストリートチルドレンになりました。

彼も、事件で死亡した一人です。

その後、子供達の間ではリーダー争いが絶えず、70名ほどだったグループは20名ほどまで減ってしまったそうです。

メディアの発表では事件当時死者6名だったのですが、その後8名に訂正されています。

実際は何名亡くなったのか、はっきりと分からないそうです。

事件後の裁判は遅延し、政府は対応を曖昧にしてきました。

 

事件から7年後の2000年には、カンデラリア教会虐殺事件の生き残りである青年・サンドロさんがバスジャック事件を起こし死亡しています。

 

事件を元にしたブラジル映画3作

サンドロのバスジャック事件を描いたドキュメンタリー映画が「バス174」。

「バス174」事件をサンドロさん視点で描いたフィクションが「シティ・オブ・マッド」。

リオデジャネイロのストリートチルドレン抗争を実話ベースで作成した映画が「シティ・オブ・ゴッド」。

ネット配信は珍しい作品ですので、レンタルDVDで探したほうが早いかもしれません。

「シティ・オブ・マッド」と「シティ・オブ・ゴッド」は、U-NEXTで見放題配信していました。(2018年11月3日時点での情報です。)

映画「バス174」のあらすじ!実話のブラジル・バスジャック事件を描いたドキュメンタリー